土づくりのペ−ジです


かつて、このハウスの土は黄色土と呼ばれる、酸性度が強く、
やせ地で水はけ悪く、稲を作るのには適していましたが野菜を作るのには
適していない土でした。
毎年毎年有機資材を入れることにより、土壌有機物が蓄積され、土の色も
黄色から黒い色に変化し、排水と保水のバランスが良くなりました。
現在では、トマトづくりに合った土となりつつあります。
また、「連作障害」という言葉がありますが、同じ種類の野菜を
同じ場所で長年栽培していると「連作障害」と言って、発育障害や
病気の発生が多くなります。
その連作障害を出さないようにするには、しっかりとした土づくりが必要です。


水田の畦畔に生えているカヤを
鎌で刈り取ります。

刈り取り時期は、12月から翌年の2月頃まで続きます。
写真で見てもわかるように、カヤに緑色が無くなってから
カヤの収穫が始まります。
この理由は、カヤの繊維が多くなるからです



収穫したカヤをカッタ−(切断機)で1pほどに切った様子です
切断の長さは自分の好みの長さにしています。
この後の作業(散布)のことも考えての長さにしています



散布し終わった状態です。

土が見えなくなるまで厚く敷き詰めます。
10ア−ル(1000u)の面積に4トン入れています。


米糠を散布しているところです。

土着菌の活動を活発にするための栄養源です
10ア−ルあたり750sを散布します。


ドラム缶を利用して籾殻燻炭を作っている様子です。

煙突を取り外し、そこから籾殻を入れます。下の通気口から火を入れ点火します。
最初は白い煙ですが、白い煙から青い煙に変わった頃にドラム缶をひっくり返して
中のものをかき出し、水を掛けて火を消します。火の気が無くなると、籾殻燻炭の
出来上がりです。


出来上がった燻炭です

籾殻燻炭は、一般の木炭と同じ効果があると言われますので、
土づくりに一役を担ってもらいます。
その効果は、微生物の活動を活発にし、土中の水分を安定させます。





有機資材を鍬込むと、被覆のポリフィルムをはぎ取りハウス内の土を
冬から春にかけて雨に打たせます。
その目的は、疲れた土を休ませるのと微生物を活発にさすためです。
雨の量は累計で200o以上が必要です。



有機資材を散布した後は何度も何度もトラクタ−で耕耘します。
その目的は、有機資材を土に十分混ぜていくことと、酸素を土の中に
入れることです。
そのことによって、土中の微生物の活動が盛んになります。

左側がトラクタ−が通ったあと、右側がこれから通る所です。




耕耘し終わった後を歩くと、10pほど足が沈みます。
これは、有機質資材がたくさん入っている証拠ともいえます。





雪もまた、土づくりには欠かせないものです。
何で良いのか解りませんが、雨には無いものが有るみたいです。

土づくりの成果

今年の天候は、高温と少雨そして日照過多でしたが、
色も形も良く、身は果肉とゼリ−がギュッと詰まった
トマトが作れました。
味の方は、9月に少し落ちましたが、収量の方は前年
以上のできだったので、とても良かったです。


太く力強い桃太郎の根 60p以上深く伸びた
桃太郎の根
70p以上深く伸びた
ミニトマトの根


土壌検査
収穫が終わったトマトの根の様子です。
収穫後、土の中にどんな肥料や微量要素がどれだけ残っているかを検査して
土づくりの資料にします。


土壌検査を行うときの土の採取は、表層、中層、底層の
3カ所から採取を行います。
その理由は、地層の場所によって残留の肥料とミネラルの数値が違うからです。
3層から採取した土を、陰干しで5日から1週間、乾燥させます。
土中の水分をゆっくと抜くことで、土中の肥料成分含有量を正確に
知ることが出来ます。
土全体が、白く見えるようになったら、塊を壊し篩いで通して、
500t位の量を土壌検査してくれる所へ送ります。
今回は、「JAこうち」にお願いしました。



検査の結果は以下のような数値がでました。
腐植の数値が高いのは、それだけ有機資材が多く入っている事を示しています。
pHが低いのと、塩基比率のバランスが悪いので、其処の所の改善に努めながら土づくりを行います。

採取場所 pH

(1:2H20)
EC

(1:2H20)
窒   素 有効
燐酸
置 換 性 塩 基 腐 植
硝酸態 アンモニア態
定 性 定 量 石灰 苦土 加里
1−表層 5.8 0.48 140 553 71 75 4.5
1−中層 5.9 0.42 130 536 66 65 4.3
1−底層 6.0 0.38 122 522 67 71 4.3
2−表層 6.4 0.45 154 505 67 58 4.4
2−中層 5.7 0.48 146 547 74 67 4.5
2−底層 5.7 0.62 14.1 144 533 78 60 4.4
3−表層 5.4 0.44 91 474 60 66 4.0
3−中層 5.6 0.34 85 456 55 58 3.6
3−底層 5.8 0.53 13.7 104 523 68 73 3.9


     

平成19年4月10日、再度土の検査をしました。
診断の結果は、pHは適正、ECは低く、硝酸態窒素が少ないので補給。
置換性塩基は、カリと苦土のバランスが崩れているので苦土の補給。
育苗棟ハウスは、リン酸分が不足しているので補給。

今回の土壌診断には、四国園芸資材店様、多木化学株式会社 肥料営業部 アグリサ−ビス室様
のご協力をいただきました。
                                   有り難うございました。

      

分 析 項 目 pH EC 窒素mg/乾度土100g 有効リン酸
 r/100g
置換性塩基r/100g土  CEC
r/100g土
腐植
  %
(水) (KCI) r/cu アンモニア態 硝酸帯態 カリ 石灰 苦土
 目標値
  土壌区分
6.0〜 6.5 5.5〜6.0 1.0以下 2以下 3〜15 30〜200
育苗棟ハウス 6.60 5.70 0.28 1.3 1.5 34 117 430 72 29.0 3.2
桃太郎ハウス 6.45 5.05 0.21 1.2 1.6 88 133 557 81
千果ハウス 6.35 5.60 0.34 1.1 1.0 75 145 502 84

トップに戻る